私は子供たちに字を丁寧に書こうと伝えることが多いんですが、
雑だと見難いとか、相手に失礼だとか、
自分の評価が下がるとか、そういうことを伝えたいのではないのです。
字が汚いことで何が問題になってくるのか。
それは字が汚いということに気づけない心の鈍化に問題があるのです。
例えば、
口という字ですが、こんな感じで書いて提出してくる子は多いものです。
これでも口に読むことはできますよね。
ただ、先生に提出して読んでもらうものや、
テストなどでもこの字で書いてしまう子は、
この字が雑だということに気づけなくなってしまっているんです。
個別に読んで、雑だよね?
と言われてたら気づくことはできます。
でも、大人が指摘しなければこのまま提出してしまう子は、
自分だけでは気づけない状態になってしまっています。
自分では気づけなくなっている状態は、
他のことにも影響があります。
計算ミスに気付かなくなります。
文章題を読み飛ばすことにつながります。
国語の課題文を上辺だけで読みます。
勉強が全体的にミスが多くなるために
勉強に苦手意識をもつようになります。
その苦手意識が邪魔をして、
勉強への理解が低下してきます。
この悪循環がはじまってしまうと
なかなかやっかいなんです。
この雑が見えない心は勉強面以外でも問題があります。
大人になったときに雑な仕事に気づけなければ、
会社や取引先に迷惑をかける可能性もあります。
料理屋で適当に塩加減で料理してはダメです。
お皿を雑に洗ってコップに口紅がついていてはダメです。
お皿のふちに料理が散らかっている状態で
お客様に出してもいけません。
だからこそ、
雑な心を改善するためにも
低学年のうちに字をていねいに書く習慣を身につけておく方が良いのです。
これは書写のように整った字を書くということではなく、
雑ではない字を心がけて書く習慣をつけるということです。
サンズイを書くなら、必ず三つに分けて書く。
つなげ字にして書かない。
そのようなちょっとした意識が
勉強の知識面以前に大切になってくるのです。
もちろん高学年になった子も遅くはありません。
今からでも丁寧に書くことを意識して
反復的に練習を繰り返せば丁寧に書けるようになります。
字を丁寧に書くことがなぜ大切なのか。
それは心を育てることにつながるから。
ぜひ、お子様の字を少し見てみてあげてください。