2018年3月3日土曜日

必ず勉強はできるようになる



子どもたちに、
「必ず勉強ができるようになる」
ということを伝えました。


TJの教え子の話です。


4年のころ、
60点周辺を採る成績の子がいました。


お母さんが勉強を教えることはできず、
お父さんも日本にいて、
TJと学校のみでの学習でした。


私が話をしているとき、
彼は将来の夢として
科学者になりたいという思いを
伝えてくれました。


私は科学者になるためには、
「算数」でクラスで3番目くらいに
できる子になれれば、
科学者にもなれるから、
算数頑張ってみたら?と伝えました。


もちろん根拠はありませんが、
まずはやる気を高めるための
刺激が必要だと思い言ったことです。


その日からその子は変わりました。


相変わらず、間違いは多かったのですが、
私が解説している最中でも、
「わかるなら解き直して良いんだよ」
と伝えると、
素直なのでそのまま解き直していました。


授業中に復習をしているようなものです。
私の解説の途中でも
気づきがあった瞬間から解き直し、
先回りして、答えを再度合わせる
ということをしていました。


国語も読解が非常に弱かったのですが、
間違えてもいいから、
最大限の集中をして解くことと、
解説を納得するまで聞くことを指導していました。


次第にミスも減ってくるようになり、
さらに、答え合わせのときは、
この答えではダメですか?
と理由も含めて聞いてくるようになりました。


そして、週2回の5年になると、
私の指導も増えるので、
彼の科学者への意思も相当高いものに
なってきていましたし、
勉強方法もパターンが身についてきていました。


5年の2学期に入るころには、
90点以下を採ると
悔しがるレベルまで上がっていました。


アニメが趣味で、
家では塾と学校の宿題以外は勉強しない子でした。


ただ、塾の宿題は全力で解いているのが、
余白の計算式や消しゴムのあとから
伝わってきました。


その後6年になると、
ほぼ100点という状態です。


中学でも週1回と
日本人学校がない土曜にTJに通ってくれましたが、
数学99点、理科で98点という
学年で1、2番を争う成績を採るようになりました。


週何回も勉強して、
居残りまでしている受験塾の子に
週1.5回でも勝てるという証明です。


その根っこには、
1問に入魂する。
私の解説を確実に吸収する
という情熱に近いものがありました。


間違えると、涙を浮かべるほど
悔しがっているということは、
それほど本気で考えた証です。


今の4年生を見ていると、
その子より勉強ができない子は
一人もいませんし、
その子よりも家庭環境は恵まれているでしょう。


あとは本気になるかどうか。

目先のミスなんて気にしないほどの姿勢。


その子はミスに気づいて解き直したとき、
印をつけて復習するように伝えると素直に
×を付けていました。
この素直さも伸びる資質です。


課題が早く終わったときに、
前のページに戻って解き直したりしていました。


ただ、家ではアニメばかりで
全くと言ってよいほど自主的には
やっていないようでしたが、
塾の課題は100%吸収していました。


今の子たちもできないわけがない
ということを伝えました。


何人かは目の色が変わっていました。


その話のあとの国語の授業では
ビデオで送ったとおり、
シーンとした驚くほどの集中力でした。


間違えなんて気にしないで
普通にバツをつける。
恥ずかしいなんて邪魔なことで、
ただ目の前の課題に集中する。


バツがついたら理由が納得できるまで
とことんつめる。


そのことを繰り返していたら、
必ず勉強はできるようになります。


私は彼から学びました。


今は、理系の高校ではトップの層にある付属高校に進学しました。
このまま国立の理系の偏差値が70を越える大学に進むことでしょう。


実は、この大学は私が受験したかった大学で諦めた大学でした。
この子に教えてあげたところ、
絶対に行きたいとより勉強に励むようになりました。


今では付属高校のクラスの中でも
1、2番の成績になったと連絡がありました。


4年のころ、はじめてあった
じっと座っていられないところから指導を始めた
彼の姿を思い出すと、
人は変れるんだなということを痛感します。


今の子供たちにも
これから彼から学ぶべきことはあるので、
そのエッセンスを
5年になっても話をしていこうと思います。