2017年11月8日水曜日

なぜノートが雑なのに成績がのびるのか?作業と思考のちがいについて



作業と思考の違いについて
少しだけ説明しました。


勉強をしているのに
なかなか思うように成績が伸びない。


そんな悩みを救ってあげたいと思い、
子どもたちを注意深く観察していると、
勉強が苦手という子は
作業が多く、思考が少ない傾向にあることが見えてきます。


逆に、勉強が得意な子は
作業が少なく、思考が多い傾向です。



例えば、
とっても丁寧にノートを写している子が
やっていることは作業です。



ノートを写している間は、
こちらが全体で問いかけている時も、
視線は黒板で、口を開くことはありません。


ノートを写し終わるのを待つか、
ノートをとることをストップするよう
声をかけない限り、
思考がスタートしません。


思考より作業を大切にした
授業の受け方です。


その一方、
ノートが雑な子もいます。

そのような子はノートをほとんどとることないけど、
全体で問いかけられると、
必ず答えます。

それだけではなく、
わからないところは質問をしてきたり、
他の子と違う考え方などを答えたりします。


作業はしていないけど、
思考はしている状態です。


ノートを見る限り、
一見、伸びる子は
ノートを丁寧にとる子に見えます。


しかし、ノートが雑な子がのびるという
常識からずれたようなことが起こるのです。


もうお分かりだと思いますが、
この作業と思考の違いを理解すると
答えが紐解けてきます。


作業が中心な子は
このような状態になっていることがあります。

作業をしていることで、
思考が止まり、
理解が停滞する。
理解が停滞するから、
自信がなくなる。
自信がなくなるから
今目の前でできる作業に向かう。


このような流れが生まれると
わからないことが
積もり積もってきます。


なので、塾では作業に集中しすぎている子がいるときは、
声をかけて、大切なところでは、
聞くことだけに集中するようにさせています。


学校では、丁寧なノートが褒められますし、
意味の無いことを
全部写させるという作業重視を徹底させる人もいます。


そのことに慣れてしまうと、
子どもたちは思考が停止していることに
慣れてしまいます。


低学年のうちは学習内容が容易なので、
影響は少ないかもしれませんが、
学年が上がるごとに
思考停止の影響は大きくなり、
どんどん勉強がわからなくなってきます。



大学に行けば、
そんな全部メモするなんてことは
無いでしょう。
思考重視です。


高校でも先生によっては、
ノートを丁寧に写す隙を与えないように
マシンガントークをする人もいます。


そんなとき、
作業中心で授業を受ける姿勢では、
授業についていくことができなくなります。


自分が必要だと思うところだけをメモり、
あとは捨てる。


そんな見切りも時には大切なことで、
子どもたちにはそのような力を高めていって
もらえたらと思っています。